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民事信託民事信託の活用事例

①高齢者の財産管理・承継における民事信託の活用

ご家族中で高齢者の方が、一家の資産を多く所有・管理していることは多くあり、その資産で生活をしているご家族の方も多くいらっしゃいます。
高齢者の方が元気のうちは特に支障はありませんが、認知症が発症し成年後見制度の適用を受けると、その高齢者の資産は全て成年後見人(多くは第三者)の管理下におかれ、ご家族の意思に反する管理がなされるおそれもあります。
成年後見人に対しては、資産の多寡にもよりますが、年20万円以上の費用も発生し、10年成年後見制度を利用すると、200万円以上の支出となります。
そこで、家族の中で資産を所有・管理している方が元気なうちに、家族のために民事信託を活用することにより、それらの問題点を解決いたします。

■事例①収益不動産のオーナー

収益不動産オーナー民事信託活用

田中太郎の思い

田中太郎(80歳)は、収益不動産を所有している。管理は、不動産会社に依頼しているが、住居者との賃貸借契約、修繕業者との工事契約等が今後できるか漠然とした不安がある。しかし、賃収を生活費にあてており、今後の生活を考えると、売却することにはためらいがある。
妻の花子(78歳)は、認知症を患い、意思の疎通も難しい状況。長男の一郎(54歳)は、東京で家を購入し、広島に帰ってくることはない。次男の二郎(52歳)は、広島に家を持っている。
田中太郎としては、今後の収益不動産管理、妻花子の生活、一郎と二郎の遺産争いを非常に心配している。

事例①の検討

田中太郎の判断能力は全く低下していない為、法定後見は利用できない。また、任意後見・代理契約も検討したが、受任者に取消権はなく、田中太郎に財産管理の権限は残存しており、不当な契約をする恐れもある。資産の承継については、遺言を検討したが、信託で代用できるため、民事信託を活用することとした。なお受託者には、広島在住の田中二郎が了解した。

事例①の民事信託スキーム

(1)信託の目的
「収益不動産の適正な管理・運用」と「太郎・花子が現在と変わらぬ生活を送り続けられるようにする」こと。田中太郎・花子死去の後は、一郎と二郎が争い無く資産承継ができること。
(2)信託行為
田中太郎と田中二郎との間で信託契約
(3)信託財産
収益不動産・居住用不動産・金銭
(4)当事者等
ア 委託者 田中太郎
イ 受託者 田中二郎
ウ 受益者 1次 田中太郎・花子
      2次 太郎又は花子のどちらかが死亡した場合は、存命者1名
      3次 太郎・花子両名が死亡した場合は、一郎と二郎
エ 信託監督人 田中一郎
オ 帰属権利者 信託終了時の受益者
※信託行為後は、二郎が不動産の管理について管理会社と契約。
※太郎と花子両名が死亡した後は、受益者はいつでも信託を終了させる条項を作成。
※受託者であ二郎1人に全てまかせると、一郎が疑念を持つ恐れがあるため、一郎を信託監督人とした。
※信託終了後の残余財産の帰属については、一郎と二郎了解のもと条項を作成。(遺言代用信託の効用)

収益不動産を所有の方の相続対策として、「民事信託」は非常に有用です。

②親亡き後の子の生活保障における民事信託の活用

障害をもつ子への生活支援は、多くの場合その親が行ってきました。しかし、親が高齢になるにつれ、その生活支援が難しくなってきました。
そこで、平成12年より成年後見制度が開始され、障害のある子の財産管理・身上監護については、一定の安心を得ることができました。
しかし、障害も人それぞれであり、法定後見(後見・保佐・補助)に該当しないが働く事ができない程度の精神障害であったり、身体のみ障害でやはり法定後見を利用できない子がいる場合もあります。
また、法定後見は利用しているが、障害のある子に残した財産を、障害のある子を世話した人に、残してあげたい場合等、法定後見のみでは対応できないケースも出てきました。
そのような場合に、民事信託制度を利用して、安心して親なき後の子の生活保障等守ることができます。

事例①親亡き後の生活保障、成年後見制度併用、後継ぎ遺贈

親亡き後のこの生活保障

山田太郎の思い

山田太郎(75歳)は、広島で障害のある三郎(45歳)と同居をしている。数年前に、妻である山田花子が死亡し、遺産分割協議をする為に、成年後見人を選任する必要が生じたため、家庭裁判所に成年後見を申立てところ、司法書士Yが選任された。
司法書士Yの成年後見職務には、満足している。また、長女である次子もよく三郎の面倒を看てくれている。
三郎の身上監護は問題ないが、太郎の死亡後、収入のない三郎のために、居住用の家も含めて多めに財産を残したいと考えている。
また、三郎に残した財産は、三郎の面倒を看てくれている次子が相続して欲しいとも考えている。
長男の一郎は、東京在住で広島に帰ってくる予定もなく、一定の金銭を残せれば十分であり、一郎も納得している。

事例①の検討

山田太郎死後の三郎の身上監護・財産管理は、成年後見人司法書士Yと次子がいる為、特に問題はない。
問題は、三郎に多めに残した財産を、三郎の死亡後、次子に移転させることが問題となる。
また、一郎・次子の遺留分にも気を付けなければならない。
本ケースは、「遺言信託」と「遺言代用信託」の二つのケースが考えらる。

事例①の「遺言信託」を利用したスキーム

(1)信託の目的
三郎の住居を確保するとともに、三郎の健康状態に応じた適正な支援を行うために必要な金銭を給付する。
三郎の死亡後は、残余の信託財産は次子に帰属させる。
(注)遺言信託」は委託者死亡によって信託行為が発生するため、山田太郎の存命の間は、原状に何らの変化はない。
(2)信託行為
山田太郎と安田次子との間で信託契約
(3)信託財産
居住用不動産・金銭
(4)当事者等
ア 委託者 山田太郎
イ 受託者 安田次子
ウ 受益者 1次 山田三郎
エ 信託の期間 山田三郎が死亡したとき
オ 帰属権利者 安田次子
※成年後見人司法書士Yは、成年後見人の権限で、受託者次子を監督する。
※一郎と次子には、別途遺言で遺留分を超える資産を相続させる。
※三郎死亡時の相続は、兄弟姉妹相続のため、一郎に遺留分が発生しない。

事例①の「遺言代用信託」を利用したスキーム

(1)信託の目的
三郎の住居を確保するとともに、三郎の健康状態に応じた適正な支援を行うために必要な金銭を給付する。
三郎の死亡後は、残余の信託財産は次子に帰属させる。
(注)遺言代用信託」は委託者の生前に信託行為が発生するため、山田太郎の死亡前に、居住用不動産及び一定の金銭が信託される。
(2)信託行為
山田太郎と安田次子との間で信託契約
(3)信託財産
居住用不動産・金銭
(4)当事者等
ア 委託者 山田太郎
イ 受託者 安田次子
ウ 受益者 1次 山田太郎及び山田三郎
      ※三郎の受ける利益は、太郎の扶養範囲
      2次 太郎死亡後は、三郎のみ。
エ 信託の期間 山田三郎が死亡したとき
オ 帰属権利者 安田次子
※成年後見人司法書士Yは、成年後見人の権限で、受託者次子を監督する。
※一郎と次子には、別途遺言で遺留分を超える資産を相続させる。
※三郎死亡時の相続は、兄弟姉妹相続のため、一郎に遺留分が発生しない。
※「遺言信託」との違いは、太郎が生前に信託の実行を見守ることができることと、居住用不動産の管理を次子に任せる事ができる。

事例②親亡き後の生活保障、成年後見制度不使用、後継ぎ遺贈

親亡き後のこの生活保障

山田太郎の思い

山田太郎(75歳)は、広島で三郎(45歳)と同居して、身の回りの世話をしている。
三郎は、対人関係がうまく築くことができず、転職を繰り返し、現在は無職として太郎と同居している。
三郎の今後を考え、太郎は医師に相談し三郎を受診させたが、後見・保佐・補助のいわゆる法定後見には該当しないと判断された。
太郎は、体力の衰えを感じており、今後の三郎の世話を長女の次子に依頼したいと考えいてる。
三郎には一定の生活資金と、現在居住している家を渡したいが、管理能力の疑問がある。
また、三郎に残した財産は、三郎の面倒を看てくれている次子が相続して欲しいとも考えている。
長男の一郎は、東京在住で広島に帰ってくる予定もなく、一定の金銭を残せれば十分であり、一郎も納得している。

事例②の検討

太郎の体力の衰えがある為、三郎の世話は次子が行うことに、次子も同意した。
三郎には、財産管理能力が不足している。また、一度に多額の金銭を渡す事に不安があるため、次子に太郎の財産を信託する。
山田太郎死後の三郎の財産管理は、次子が行う。ただし、受託者である次子に身上監護権が無いことに注意する。
三郎の健康等には常にチェックを行い、法定後見に該当する場合になった場合は、速やかに法定後見人選任の申立てを行う。
三郎に多めに残した財産は、三郎の死亡後、次子に移転させることにする。
また、一郎・次子の遺留分にも気を付けなければならない。
本ケースは、「遺言信託」と「遺言代用信託」の二つのケースが考えらる。

事例②の「遺言信託」を利用したスキーム

(1)信託の目的
三郎の住居を確保するとともに、三郎の健康状態に応じた適正な支援を行うために必要な金銭を給付する。
三郎の死亡後は、残余の信託財産は次子に帰属させる。
(注)遺言信託」は委託者死亡によって信託行為が発生するため、山田太郎の存命の間は、原状に何らの変化はない。
(2)信託行為
山田太郎と安田次子との間で信託契約
(3)信託財産
居住用不動産・金銭
(4)当事者等
ア 委託者 山田太郎
イ 受託者 安田次子
ウ 受益者 1次 山田三郎
エ 信託の期間 山田三郎が死亡したとき
オ 帰属権利者 安田次子
※受託者である次子に身上監護権はない。そのため、三郎が法定後見に該当した場合は、すぐに法定後見人選任の申立てを行う。
※一郎と次子には、別途遺言で遺留分を超える資産を相続させる。
※三郎死亡時の相続は、兄弟姉妹相続のため、一郎に遺留分が発生しない。

事例②の「遺言代用信託」を利用したスキーム

(1)信託の目的
三郎の住居を確保するとともに、三郎の健康状態に応じた適正な支援を行うために必要な金銭を給付する。
三郎の死亡後は、残余の信託財産は次子に帰属させる。
(注)遺言代用信託」は委託者の生前に信託行為が発生するため、山田太郎の死亡前に、居住用不動産及び一定の金銭が信託される。
(2)信託行為
山田太郎と安田次子との間で信託契約
(3)信託財産
居住用不動産・金銭
(4)当事者等
ア 委託者 山田太郎
イ 受託者 安田次子
ウ 受益者 1次 山田太郎及び山田三郎
      ※三郎の受ける利益は、太郎の扶養範囲
      2次 太郎死亡後は、三郎のみ。
エ 信託の期間 山田三郎が死亡したとき
オ 帰属権利者 安田次子
※受託者である次子に身上監護権はない。そのため、三郎が法定後見に該当した場合は、すぐに法定後見人選任の申立てを行う。
※一郎と次子には、別途遺言で遺留分を超える資産を相続させる。
※三郎死亡時の相続は、兄弟姉妹相続のため、一郎に遺留分が発生しない。
※「遺言信託」との違いは、太郎が生前に信託の実行を見守ることができることと、居住用不動産の管理を次子に任せる事ができる。

法定後見と民事信託どちらを利用?

障害のある子の行く末を案じるのは、どの親であっても共通かと思います。
では、障害のある子が、親が亡き後も今までどおりの生活をできるようにするためには、どのような方法を取るべきでしょうか?
やはり、第一は「法定後見制度」を利用することです。もちろん「法定後見制度」が万能とは言えませんが、後見人は、障害のある子の法定代理人として、包括的に「財産管理」「身上監護」の事務を遂行できます。
これに対し、民事信託上の受託者は、信託された財産を管理する権限がしかなく、「身上監護」はできません。
※身上監護について:被後見人の生活や健康に配慮し、安心した生活がおくれるように福祉サービス等の契約などを行います。身上監護といっても法律行為によるものであり、被後見人に対し後見人が直接介護や看護などをすることは含まれておりません。

後見人又は受託者の確保の問題

次に、後見人又は受託者の確保の問題です。
障害のある子を見守る期間は、何十年となります。1人の後見人又は受託者が見守る事は事実上できないと考える方が自然です。
後見人が死亡又は判断能力が低下した場合などは、家庭裁判所は利害関係人等の請求又は職権で新しい後見人を選任することができます。
これに対し、民事信託上の受託者が死亡又は判断能力が低下した場合などは、まず信託行為のに従い(要は次の受託者を定めている場合)、なければ利害関係人の申立てにより裁判所が新受託者を選任します。(信託法第62条4項)
受託者を法人にすればよいのではとの意見も伺いますが、結局法人の役員は自然人であり、法人を管理している役員もいつかは死亡又は判断能力が低下します。受託者が自然人と法人の違いは、あまり無いかと思われます。

後見人又は受託者の監督の問題

最後に、後見人又は受託者の監督です。
障害のある子を見守る期間は、何十年となります。1人の後見人又は受託者が権限を行使する事は、やはり不正の温床となります。
後見制度を利用した場合は、家庭裁判所が後見人を後見終了まで監督します。また、家庭裁判所がなくなる事は可能性ゼロに限りなく等しいと思われます。
これに対し、民事信託上の受託者を監督する機関は、「信託監督人」「受益者代理人」等が上げれますが、いつまでも「信託監督人」「受益者代理人」が元気であるとは限りません。また、何十年先の「信託監督人」「受益者代理人」の代替人を信託行為とすることは非常に無理があります。
やはり、障害のある子がいらっしゃる場合は、まず第一に「法定後見」、そして「法定後見」でできない場合又は補完に「民事信託」を利用することを、当事務所は推奨いたします。
(注)任意後見は、本人の判断能力が必要となりますので、既に法定後見制度に該当している場合は、利用できません。

まずは法定後見を検討、次に民事信託を検討。

「成年後見」と「民事信託」の制度比較(特に障害のある子の場合)

法定後見 民事信託
申立て・契約時期 障害のある子が、法定後見制度に該当。
一定の親族が家庭裁判所に申立てできる。
委託者(主に親)と受託者(親族)が信託行為を合意すれば活用できる。
効力発生 家庭裁判所の審判確定時。 ・遺言信託→委託者死亡時。
・遺言代用信託→信託行為発生時。
権限 ① 財産管理
② 法律行為(注1)
③ 身上監護権
信託財産の管理・運用・処分
身上監護は含まれておりません。
本人の法律行為に対する取消権(注2) 後見:ほとんどの取引で取消可能。
保佐:一部の行為に対して取消可能。
補助:定められた行為のみ取消可能。
受託者にに取消権がない。その為、取消不可。
法定後見と違い、信託財産以外を守る事が難しい。
監督機関 家庭裁判所
毎年報告義務あり。
任意で、「信託監督人」「受益者代理人」等の監督機関を設置できる。
監督機関の承継 家庭裁判所がなくなる事はほぼ有り得ない。 信託行為により、「信託監督人」「受益者代理人」等次の者を定める事は可能。ただ、何十年先のことは分らない。
財産を管理する者 家庭裁判所が選任した者。 信託契約で定めた者。
上記に対する者への報酬 家庭裁判所が決定。毎年報酬が発生する。
管理財産の多寡によって左右されますが、毎年20万円~ほど。
信託契約による。無報酬でも可。
上記に対する者の死亡又は判断能力低下 家庭裁判所は、利害関係人等の請求又は職権で新しい後見人を選任することができる。 信託行為のに従う(要は次の受託者を定めている場合)。
なければ利害関係人の申立てにより裁判所が新受託者を選任する。
管理財産の運用 売買等の処分行為のような、積極的な運用は原則不可。本人財産を減らさないよう消極的な運用。 信託契約内であれば、売買等の処分行為のような、積極的な運用も可能。
居住用不動産の処分 裁判所の許可が必要。
合理的な理由がなけらば許可されない。
家庭裁判所や任意後見監督人の同意・許可は不要。
本人死亡による相続 本人の死亡により後見業務が終了。後見人は、相続人等に相続財産を引継ぎを行う。遺産整理や死後事務は相続人等が行う。 信託財産である信託口口座は凍結されず、受託者が信託契約に従って、資産承継を行う。本人の相続財産の行先を、コントロールできる。
(注1)「後見」「保佐」「補助」によって変化する。
(注2)本人が悪質商法等に騙されて契約した場合などに、その当該契約を取消すことにより、被害を回復できるかどうか。

「成年後見制度」と「民事信託」どちらを利用した方が良いか悩まれた方は、専門家に相談しましょう。

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